最初の恋愛12
早起きした朝。
田舎の朝は静かだ。今日は窓から山のきれいな緑がくっきりと見える。
落ち着いた気持ちで、携帯のボタンを押した。
「先生、ごめんね。私が自分の気持ちを言ったことで、先生をこんなにも困惑させて悩ませて。本当にごめんね。今思えば、私いつも先生に支えてもらってた。先生自身気づかなかったかもしれないけど。私にとって先生の存在はとても大切だった。それは好きな人だからってだけじゃなくて、私の人生において大切な人だからだよ。先生の優しさはいつも感じてたよ。なんでこんなにも優しいんだろうって思うくらい、優しかった。だからそれに甘えてた。このままじゃダメだよね。頼るだけじゃなくて先生の応援に応えるためにも、前に進まなきゃダメだよね。先生もそれを望んでるはずだし、自分もそうしたい。今はまだすぐに、そんな強さを持つことはできないけど、きっと大丈夫だよ。だって、私にはいつも応援してくれる先生がいるからね。本当に出会えてよかった。本当にありがとう。」
素直な私の今の気持ち。
一度、読み返してから、躊躇なく送信ボタンを押した。
先生のこと、まだ大好き。
でも、現実の時はもう、動き始めたんだ。
もう二度と会うことはないよね。
先生、さようなら。
そして、ありがとう。
こうして、この物語は終わった。
・・・終わったはずでした。