最初の恋愛14
先生とのおかしな再会を果たした私は、一人暗い部屋に戻った。振られた人と何事もなかったかのように会って、ごはん食べて。私、何やってるんだろう。
先生には毎日会いたいと思っていたけれど、いざ会ってみて、こんな状況で、なんだかばかばかしくむなしい気持ちになっていた。
ふと、先生に手渡された紙袋に目をやると、タッパーの他にもう一つ何かが入っていた。
なんだろう…?
手に取ると、それは包装紙に包まれた小さな箱だった。ゆっくりとその包装紙を開けて、箱を開けると、ガラスでできた小さなキーホルダーが入っていた。
先生…
なんで、こんなことするの?
先生からの初めてのプレゼント。私が気持ちを伝えて、悩んで、それでも先生と生徒という立場を守ろうとした先生が、再会する今日までの間に、私のことを考えて選んでくれた。
私は、キーホルダーを握りしめたまま泣き崩れた。
だけど、それは希望のないどん底の気持ちの涙ではなかった。
私は、直感していた。
先生は、私のことを想っている、と。
そこから、二人の物語は思いもしなかった方向へ、ゆっくりと進み始めた。