黒田さんの恋愛記録

東京在住アラサーOLが過去の恋愛の記憶をもとに恋愛物語を書きます。

最初の恋愛5

「私は、H先生のことが好きだ。」その頃の私は、そう確信し始めていた。「先生にもっと会いたい、もっと話したい。知らないことを教えてほしい。」私の毎日は、先生への想いでいっぱいになっていた。でも、それは「普通の恋愛」じゃないともわかっていた。先生と生徒の恋なんて、少女漫画でしか見たことない。想いが叶って恋人同士になるなんて夢のまた夢。

 

3月。高校2年生最後の月。来月からの教師の人事についてのお知らせが告げられた。

「H先生は、正式に教職員採用試験に合格されたので、4月から県内の別の高校に異動されます」

・・・

私は、何かに頭を殴られたように衝撃を受けた。そんなの、知らなかった。H先生が学校からいなくなる…。そんなの、信じられない。

私の毎日の中心となっていたH先生が、いなくなる。何を楽しみに、何を支えに生きていけばいいのかわからない。そこまで、H先生への気持ちが大きくなっていたことに改めて気づいた。

そして、私は決断をする。